FX資金管理術

こんにちは!今回はFXをやる上で超重要な資金管理の方法について書いていくよ!

FXで著名なサイトは大手ブローカーが運営しているサイトが多いけど、テクニカル分析の話や、取引手法の話が非常に多いよね。その方が検索需要というかFXトレーダーのウケがいいのだろうか。

でも、実際に勝てるFXトレーダーにとって最も必要なのは取引手法でもテクニカル分析でもなくて資金管理の技術なんだよね。FXは一度適当な取引、失敗取引をしてしまうと、容赦なく虎の子の資金を全てかっさらっていくよ。一撃でオーバーキルの攻撃がくるので、それがきてもやられない防御力を身に着けて相場に向かわなければ、いくらテクニカル分析等で攻撃力を身に着けても意味ないよ。一撃でやられるから。

今回の記事はもしかするとこのサイトで最も重要になるかもしれないくらいに重要な記事なので、あまり資金管理に馴染みのない方はしっかり読んで身に着けてね。

FXの資金管理とは

FXの資金管理とは、まさにトレード会場への入場チケットのようなものと考えてよいと思う。もしチケットを保有していない状態で相場に入ると、いつか警備員が巡回してきて、容赦なく相場から退場させられる。その際は罰金として、保有している資金のほぼ全てをかっさらっていく。

つまり、資金管理とは自分を守る術でもありつつも、FXトレーダーとしてのマナーであり、相場への敬意でもあり、FXそのものと考えても良いものかもしれない。

なぜ資金管理が必要なのか?

FXはレバレッジを効かせた取引である。つまり一定額の保証金を入れて、それ以外の金額は「借金」をしてトレードを行うわけである。そのため、含み損が一定に達した場合、強制決済(ロスカット)という形で強制的に決済されてしまう。また、ロスカットを恐れて入金を繰り返して耐えても、それでも相場が思うような方向に動かず、さらに大きな金額でロスカットされ取返しのつかないことになってしまうことになる。

また、投資というのは、減らした後に増やすのが非常に難しいものである。

例えば原資100万円からスタートして50万円プラス、その後に30万円マイナスという増減をした場合、+50%と-20%の取引をしたということになる。

その一方、原資100万円からスタートしてまず30万円マイナス、その後50万円プラスの場合、-30%の取引と+70%の取引が必要だったことになる。

つまり、先に資金を減らしてしまうと、その後取り返すのが非常に大変だということである。そのため、いかに増やすかというより、いかに減らさないかを考えなければいけないのだが、一般的にはいかに増やすかということにフォーカスされてしまいがちである。

具体的な資金管理の方法

では具体的な資金管理方法を考えていくが、気を付けなければいけないことは3つあると思う。

具体的な資金管理の方法

1.取引ごとの資金管理
2.取引環境としての資金管理
3.資金管理者の管理

こう書いてしまうと明確で、FXって「管理のお仕事」なんだよね。なんでも管理するというか。本当はこのサイトも最初は「FXは管理のおしごと」っていうタイトルにしようか迷ったくらい。それでは1つずつ見ていきます!

1.トレードごとの資金管理

トレードごとの許容損失額の決定方法

まず1度取引するごとにどれだけの資金を失ってもよいかという金額を決めなければいけない。(これを許容損失額とする)FXは自分でこれを決めることができるのに、案外これを決めてない人が多い。例えば1回のトレードごとに1万円以上損したくないと思えば1万円と決めて、損切り設定をした方がいいのよね。これは相場からお金を頂く際の通行許可証というかチケットというか、最低限必要な考え方だと思う。

では実際のその金額をいくらにするかというと、巷では1回のトレードで失う金額は資金の2%を上限とすべきという考えが多いと思う。これはバルサラの破産確率という考えに基づいている。詳細は割愛するけども、一般的な勝率とリスクリワードから考えて長期的に破産しないようにするには許容損失額は2%とすべきとされているんだよね。

ただこれを書くと叱られちゃうかもだけど、リスクリワードや勝率って自分の努力で一定にすることなんてできないから、あくまで机上の空論であって、これを厳密に理解して適用する必要はないと思う。

でもそうは言っても、少なくとも許容損失額は資金量の2%~5%程度にすべきかな。それ以上になると、連敗したときに挽回がかなり難しい。5%は危険という人もいるかもしれないが、勝率が60%超、リスクリワードが1以上であれば許容損失額の比率を5%とっても破産確率はほぼ0になるので自信がある人はそれでいい。

なので、完全に破産確率を0にしたい人は許容損失額は資金の2%、多少のリスクをとって早く資金を増やしたい人でも5%までにするのがよいと思う。結局そんなに難しく考える必要なんてなくて、許容損失額の比率は2~5%でなるべく一定にし、リスクリワードを1以上にキープした上で勝率60%超、できれば65%超を目指そうという話で覚えておけばいいと思う。

損切りラインの設定方法

次に損切りラインを決める。損切りは通称ストップロス(S/L)と言われ、たまにロスカット(強制決済)と混同してしまっている記事があるがこれは明確に区別すべき。ロスカットは資金管理をサボっていた場合に発生してしまう最悪なもので、ストップロス(損切り)というのは、「ロス(損失)をストップ」するための前向きなものであって怖がる必要はない。

資金が一時的に減るので、損切りしたくない気持ちももちろんわかるんだけど、そのまま抱え込むと、さらに金額が大きくなりその大きさに耐えられなくなって、正常な判断ができなくなる。トレーダーにとって冷静な判断ができなくなるのが一番怖いので、損切りは絶対にすること。

では損切りラインはどこに入れるかというと、サポートになっているラインや、節目の金額のさらに先。もしくはそこに至る結構手前。そのどちらでもいい。一番いけないのは他の大衆と同じような金額で損切りを入れること。なぜなら、その節目のポイントは多くの逆指値(決済注文)が固まるため、狙われやすい。

ストップ狩りは実際にあるのでストップ狩りで狙われても届かないような少し余裕のある損切りラインか、ストップ狩りに向けて動き出したらもう早めに損切りしてしまう損切りラインをオススメする。後者の場合は勝率は下がるがリスクリワードが良くなるので、勝てた場合の金額が大きくなる。

余談:損切りは一定のpipsとすべきか?

たまに頂く質問にこんなものがあります。「損切りは一定のpipsとすべきですか?」と。答えは「No」

一定のpipsとすることで、感情を排して機械的に損切りを行おうとする意図は評価できる。しかし、通貨ペアの性格や、ボラティリティ、重要ラインまでの距離といった、相場環境は取引の都度いつも同じということはない。もちろん損切りのラインもその都度変わる。一定とすべきなのは、上記で説明した「許容損失額」または「許容損失額の比率」である。

取引ロット数の決定方法

許容損失額が決まって、損切りラインが決まったら、やっと最後に取引ロット数が決まる。例えば許容損失額が1万円、損切りラインまでが10pipsだとしたら、取引ロット数は1ロット(10万通貨)になる。つまり取引ロット数は最初に決めておくものではなく、最後に自動的に決まるのである。仮に自信のあるポイントだったとしても、それはロットをあげるというよりは「自信があるから許容損失額を一時的に上げる」その結果、ロット数も上がるのである。

某大手FXブローカーは取引レポート的なものを毎月出してくれるが、「ロット数が一定でないためリスクが高い」という減点をしてくる。これは違う。ロット数が一定の方がリスクが高い。例えばボラティリティが高い時間帯と低い時間帯がある。高い時間帯には損切りラインを遠くに置いておかなければいけない。損切りが遠い場合には、ロット数も小さくすべきだが、これを一定にしてしまうと、損切りに達した時に多額の損失を被ることになる。

ロット数は自分の意思や固定値で決まるのではなく、許容損失額と損切ラインによって可変的に決まるのである。

とんぷらとんぷら

ちなみにエントリーを引き付ければ引き付けるほど、損切ラインまでの距離が近くなるので、同じ損失許容額でロット数を大きく持てる。ロット数を大きく持てれば勝った時に利益が大きい。そのためこれをマスターすればポジポジ病の処方箋に少しはなりますよ。

余談:取引証拠金

上記でさらっと1ロット(10万通貨)と書いたが、これを取引するためには必要証拠金が約60万円程度必要になる。許容損失額1万円の取引のために60万円の資金を相場に晒さなければならない。リーマンショックやコロナショックなどの暴落が起きれば60万円吹っ飛ぶ可能性がある。これは日本の失策で、レバレッジが25倍までに制限されているため。おそらく金融庁の偉い方がトレーダーとしての経験や知識がないことから、「レバレッジが高い?そりゃ危険だな!」という安直な思考でこの結論に至ってしまったのだと思われる。一方、海外FXのハイレバ口座であれば、上記の取引は2万円の取引証拠金から行うことができ、リーマンショックなどの暴落が起きても2万円のリスクしか負わなくて済む。またゼロカットといってそれ以上の含み損が生じても証拠金額以上の損失は補填される。

税制は日本口座の方が概ね有利ではあるが、資金を守り、また、増やしていきたいのであれば海外FXを使うべきと考える。

※海外FXの参考記事はこちら

 

2.取引環境としての資金管理

トレードごとの資金管理が理解できたら、次は取引環境としての資金管理を考えていくよ。まず、資金を大きく失う時ってどんな時だと思う?

相場が逆方向に大きく動いた時かな?

でもそれは損切り注文を入れておけば損失は一定に保たれるよね。

実際は負けたり連敗したりしてムカついて、ロットを上げて相場に反撃しにいってしまう時。もしくは、連勝して気が大きくなってロットを上げてしまった時。要はこの時って脳が感情に支配されてしまっていて、全然冷静に考えられていないのよね。

このような状況には絶対なってはいけないのだけど、人間だからなってしまうかもしれない。多くの解決策として「メンタルを鍛える」ということで、決着させることが多いんだけど、ある意味それは逃げだと思うな。結局「次頑張れば大丈夫よ」ということで、自分の弱い心に逃げ道を与えてしまっているに過ぎないのよね。だからメンタルコントロールの努力は当然するが、それはいつまでも完璧にはならないという前提で資金管理をすべき。

ではどうするかというと、大きな方法として取引口座に全額入れておかないということ。その方法は色々あると思う。例えば僕が使っている「タイタンFX」(https://jp.titanfx.com)ならアカウント内に口座を複数作れるので、僕はそのうちの1つを敢えて取引には使わず、資金保管用口座として利確の都度こまめに移動している。それ以外にもbitwalletや銀行口座に避難させるという方法もあるだろうし、いずれにしても自分の脳が機能しなくなった際に衝動的に相場に投下できてしまう場所にお金を置いておかないということ。

これは〇〇ショックなどの相場急変から資金を守ることにも繋がる。ただいずれにしても最大の敵は脳が機能しなくなった自分なので、自分から資金を守ることに全力を注ぐ。

とんぷらとんぷら

小さい頃、親に「お財布に必要以上に入れておくと自然と使ってしまうから、必要な分だけにしなさい」と言われたのをふと思い出しました

3.資金管理者の管理

最後に、資金管理者の管理について。資金管理者というのは言うまでもなく自分のことです。これが一番重要だし難しい。というのも上の1,2で取引ごとの資金管理ルールや、取引環境としての資金管理ルールを定めたとしても、それを遵守し、また監視するのは自分しかいないからである。FXは資金管理者が自分であることが最大の難関であるともいえる。

このサイトでもあちらこちらで「最後には自分と向き合うしかない」と書かせてもらっている。それは多くのトレーダーがこの話を看過して、トレード手法やトレードルール、資金管理ルールを作ることに執着してしまうから。それを遵守できる仕組みを整えなければいけないのに、メンタルの問題にしてしまい、メンタルを鍛えるという理由付けをして先送りをしてしまうのよね。

例えば・・・

・本当は利確ポイントまで待たなければいけないのに決済してしまう

・損切りラインを動かしてしまう

・ロットを許容損失額以上にあげてしまう

経験ありませんか?「次は自分で作ったルールをちゃんと守ろう!」「心が疲れているときにはやらないようにしよう!」と反省するものの、ほとぼりが冷めるとまた繰り返してしまう。

実は稼ぎ始めるとこれは勝手に治ることが多いと思う。なぜなら安定して勝ててくると、そのルールを淡々と処理していくことが勝てる方法だと身をもってわかってくるから。だからそういう良い循環に入るまでに、自分という自由な資金管理者を自由にさせない仕組みを作る必要がある。そのためにはまず自分の分析である。例として僕がやった自分の分析を書いていく。

例その1:あるチャートパターンになると釣られて入ってしまう

僕はとあるチャートパターンになると釣られて入ってしまうことがあった。冷静でもなぜかエントリーしてしまうのである。みんなもつい急落に飛び乗ってしまうとか、よくあると思う。

この傾向は自分でも薄々気づいていたので、その後の検証をした。エントリー時のチャート画像だけでなく、その後のチャート画像を残していくのである。

例えば急落時に陰線が続いている中で乗り遅れないように飛び乗りエントリーをしたとする。その後のチャートを追うと、すぐに反発して長い下ヒゲを作って上がっていったりする。そんな風に自分の妄想とは逆の画像を保存し、繰り返し自分に見せるようにした。また、そうなる確率も分析した。

これを繰り返すと「イカンイカンここは自分をハメるための急落の動きだから見逃せ」という判断が利くようになった。これは僕も当初はメンタルの問題だと考えていたが、自分の取引の結果をきちんと分析をして数値化したことによって、「エントリーしたくなるポイントではなくした」という管理を行ったのである。

例その2:連敗すると熱くなってロットを上げてしまう

連敗すると普通にムカつくんだよね。金も奪われるからすごいムカついちゃう。優秀なトレーダーの方はこの感情を抑えることができるのだろうか?正直僕は人間からこの感情を無くすことは不可能だと思ってるけどどうなんだろう。もちろん努力してメンタルトレーニングをすることは有効だと思うし、必要だとも思うけど、絶対0にはできないと思うのよね。

だから、僕はまず熱くならないことを考えて、ロットをすごい下げたんだよね。数百円とか数千円とかの損益になるようにすごいロットを下げた。でもこれも人によるけど、僕は取引に本気になれなかった。確かにその程度の金額なら負けてもムカつきもしない。だけど勝っても数千円にしかならないということで本気でやれなかった。同じような問題を抱えている人で、ロットを下げてもちゃんとやれる人はそれが有効な解決策になると思う。

次は、自分にとってちょうどいいマネープレッシャーの水準を探した。大体1回の取引で負けても3万~5万、勝った場合は3万~10万くらいが自分にとって本気でやれて、かつ損切りも怖くない水準だったので、その水準のロットが持てる金額だけを取引口座に入れるようにした。それでも連敗するとどうしても熱くなってしまうので、最後には秘書さんを雇って、取引開始前に証券口座のパスワードを変更してもらい、僕がログインして自由に資金移動をできないようにした。

とんぷらとんぷら

副次的な効果として秘書さんという第三者に見ていてもらうと、熱くなって資金移動をするというのが恥ずかしい行為に思え、そのような暴挙がなくなりました。

と、そんな感じです。

今回の記事には熱が入ってしまいましたが、いかがでしょうか?自分なりに勝つために必要だと思う資金管理手法を出し惜しみなくまとめたつもりなので勝ちたいトレーダーの方の参考になれば幸いです!