FXのローソク足はパターンで覚えるな。大衆心理を読み解くべし【FXで勝てるようになるまで_連載第3回】

それでは今回もFXで勝てるようになるまでの連載を引き続き書いていきます。
前回までの記事で、実際にリアルマネーでMT4を使って取引ができるようになったかなと思います!
まだ海外FX口座でMT4を使ったトレードができる状態になっていない方は第1回、第2回を読んでみてね。


ではいよいよ実戦。今回はローソク足のパターンについて書いていきます。普通のローソク足のパターンの記事を読んできた人にとってはおそらく気付きがあることを書けると思うので、是非読んでみてね。

改めてローソク足とは何かを考える

改めて・・ローソク足ってなんだろう?

もちろん値動きの始値、終値、高値、安値を1つのローソクのような形に表したものだけど・・究極的にはトレーダーの思惑を表すツールと言っちゃっていいと思うのよね。

と、大げさに言ったところで、どんなに見てもローソク足はローソク足・・・でも僕はこれを心理を示すものだと考えるようになってから、チャートを一歩引いた目で見られるようになって、勝率が上がったり狼狽することが少なくなった。これもまた事実。

※このように考えることができるようになったきっかけはこの記事の途中に出てくるはずです。

というわけで、当サイトではテクニック的なローソク足のパターンの説明は多くはしません。教科書的な内容は多くのサイトや動画で解説されているし、皆さんもその程度は大体知っているものとして割愛させて下さい。

僕らが考えていきたいのは、多くのサイトでは「こういうパターンは上がる」とかそういう説明をしていると思うけど、本当にそうなるのか?なぜそうなるのか?ということ。ここで重要なのはその形+大衆心理。上でも書いたけど、ローソク足というのはトレーダーの思惑を表すツールなのです。

それでは早速考えていきましょう。

長いヒゲ対策・・・よくあるローソク足のパターン

天井圏で長い上ヒゲが出たら売りのサイン

って皆さん読んだことありますよね?誰でも知ってると思います。

でもそのサインを教えてくれる本やサイトではこういうパターンは載せていないと思うのよね。そこに罠がある。

(巷のサイトでは読者に理解してもらうことを重視して、パターン通りのチャート例を表示していますが、その例外はほとんど解説しない。それでみんなやられる。あれ?このローソク足のパターンはこんなはずじゃないのに・・・ホールド・・・入金・・・ロスカット!そこにFXで勝てるチャンスが眠っています)

天井圏で長い上ヒゲ



天井圏で上ヒゲを上抜けてさらに上昇

ちょっと上ヒゲが短い例だったかもしれないけど10秒くらいで見つけた例だから許してください(笑)

でもね、天井圏で長い上ヒゲが出たら売りのサインって言われても、「天井圏」ってどういう定義?「長い上ヒゲ」って具体的にはどのくらいからが長い上ヒゲ?って思いませんか。

つまりこのサインは有名ではあるけど、かなりぼんやりした状態でみんなが使っているサインになる。

ここで大衆心理を考えてみよう。

なんとなく長い上ヒゲができると、多くの大衆がショートエントリーをすると思いませんか?そして、長い上ヒゲの先っぽにみんなストップ(損切り注文)を入れると思いませんか?

僕が負けていた頃もそうだった。なまじっかそれでちょっと勝てることもあるから難しいよねFX。しかし勝てるようになるためには長いヒゲが出たからといって喜んで相場に飛び込んでいてはダメ、ここで立ち止まる必要がある。

確かに一般的なサイン通り下に下がることも多いでしょう。しかし9割以上が負けるFXでは必ず素人を狼狽させる動きが出てくる。それを考える。

もし、サインとは逆行し、上ヒゲを抜けたらどうだろう?と考えるのです。

上ヒゲの先っぽにはたくさんのストップがあったよね?

だからそこを抜けると買い注文(売りを決済する注文)が同時に大量に入って一気に上がる。また、ストップを入れていなかった大衆は含み損を抱えたまま下がってくれと祈り始める。こうなったらもう下がらない。取り残されたほとんどの大衆がロスカットされるまで伸びる。まさに上のチャートはショート勢の悲鳴が聞こえるローソク足の動きである。

そう。案外長い上ヒゲをさらに上抜けしたときのロングを狙う方が有利な場合も大いにあるのです

実際はまだこれだけでは足りなくて、通貨ペアごとまたは使う時間軸ごとに、どのくらいの長さのヒゲをサインとして信頼していいかといった傾向を分析してから使う必要がある。けれども少なくとも安易にローソク足のパターンを丸暗記して立ち向かうのでは危険なので、その裏にある大衆心理を読み解きましょうという話です。

長いヒゲ・・素直にローソク足のサインに従う場合

ちなみにもう1つ例えばの考え方を書いておくと・・もし僕が長い上ヒゲで売りエントリーするのなら下記2点を見ます。

①節目となるラインを抜けて、それが戻ってくる形でヒゲを作った。

②ヒゲの生成スピードが速かった。

①・・・節目となるラインを抜けた!!という理由でロングする大衆が大量に生まれるから(ロングしたということは後にそれを決済する売り注文を必ず入れるから)

②・・・ヒゲの生成スピードが速いということは損切りするか迷っているうちに値段が下がってしまい上の方で取り残された人がたくさんいるということだから

このような条件が揃えば、上で買った人の損切りがたくさん入るので下がる可能性(ロングポジションが決済される可能性)が高くなると判断します。

包み足・・有名なローソク足パターン

包み足の大衆心理

包み足。前のローソク足の高値安値をすっぽりと覆うようなローソク足が完成したらそこが反転サインとされる形。

これもちゃんと大衆心理を把握しておいた方が実戦で活用できます。

包み足が発生するということは、「高値を超えたから買いエントリーをした大衆」、そこではエントリーせずに「トレンドラインで押し目買いエントリーをした大衆」が存在します。

この大衆たちはトレンドラインの下か、直近安値にストップを入れています。包み足は前の足の最安値まで下回ってしまう値動きなので、このローソク足で買いエントリーをした大半の人は損切させられます。

それによってさらに売りが進み、上の図の場合、上昇トレンド中に買いエントリーをしていた人がおそらく全員損切りを強いられさらに下落が加速するといった形になっています。

まとめ

ローソク足の見方は調べればいくらでも出てくるし、基本的な内容であれば、ものの1時間もあれば理解できます。しかしその深淵はかなり奥深く、研究してもキリがありません。

ただ少なくともローソク足のパターン、チャートパターンをそのまま暗記するのではなく、その裏にある大衆の恐怖や歓喜を考えながら読み解いていくと、相場の阿鼻叫喚を俯瞰することができ、FXの世界でも頭1つ抜きんでるきっかけになるかと思います。